舌下免疫療法

舌下免疫療法とは

舌下免疫療法(アレルゲン免疫療法のひとつ)は、アレルギーの原因となるアレルゲン(スギ、ダニなど)を少量ずつ投与することで、自身の体をアレルゲンに慣らし、症状を和らげる治療法です。自宅でできるので手軽ではありますが、服用方法や量、副作用に対する知識や対応など、患者様自身でしっかりと理解をしていただく必要があります。

アレルゲン免疫療法は皮下に注射する皮下免疫療法のみでしたが、通院が必要なことや、痛みを伴うということ、また副作用も多く見られました。一方、舌下免疫療法は舌下に治療薬を投与するだけで、痛みもなく、自宅で服用できるため、治療がより身近なものとなりました。

日本でも平成26年にスギに対する舌下免疫療法の薬である「シダトレン」が発売され、平成27年12月にダニに対する舌下免疫療法の薬も発売になりました。当院では発売前のスギ、ダニ両方の臨床試験にも参加しておりました。診療実績、臨床経験のある医療機関として、アレルギー性鼻炎にお困りの患者様のお役にたてれば幸いです。

舌下免疫療法のポイント
  • 一般的な治療(抗アレルギー剤の服用や点鼻薬)では十分に効果が得られない方に適応となります。
    また一般的なアレルギーの薬には、眠気、口の渇きなどの副作用があります。これらの副作用のため、薬があまり使えない方にも適した治療となります。
  • 舌下免疫療法とは、根本的にアレルギー症状を治癒(症状が消失する)や寛解(症状が楽になる)する可能性がある治療法です。
    ※症状を完全におさえられない場合でも、症状を和らげ、薬の使用量を減らすことも期待できます
  • アレルゲン(体に合わないもの)を投与することから、局所や全身のアレルギー反応が起こるおそれがあります。また、まれに重篤な症状が発現するおそれもあります。
  • 治療は長期間(最低3年)かかります。長期間投与が望ましいです。
  • すべての患者様に効果が期待できるわけではありません。
期待できる効果
  • くしゃみ、鼻水、鼻づまりの改善
  • 涙目、目のかゆみの改善
  • アレルギー治療薬の減量
  • QOL(生活の質)の改善
副作用
  • 口の中の腫れ、口内炎、かゆみ、不快感
  • のどの刺激やかゆみ
  • 耳や体のかゆみ
  • 頭痛 など

※非常にまれですが*アナフィラキシーという重篤な副作用の可能性もあります。
*アナフィラキシー
医薬品などに対する急性の過剰反応により、投与後30分以内で、蕁麻疹などの皮膚症状、腹痛や嘔吐などの消化器症状、息苦しさなどの呼吸器症状、突然のショック症状(蒼白、意識の混濁など)がみられる状態

舌下免疫療法の実施となる方
  • 検査(当院では血液検査)でスギ、ダニアレルギーと診断された方
  • 5歳以上の方
  • 継続的な通院が可能な方(原則1回/月)
  • 症状を問わず毎日きちんと服用できる方(スギ花粉の免疫療法でも、飛散時期以外も毎日服用が必要)
舌下免疫療法が受けられない方
  • 検査でスギ、ダニのアレルギーが陰性の方
  • 重篤な気管支喘息のある方
  • 妊娠中の方(治療中に妊娠された場合は継続可能です)
  • 悪性腫瘍(がん)、免疫異常の病気がある方
  • 過去のアレルゲン免疫療法で重篤な副作用を起こしたことがある方

治療の流れ

1初診

  • スギ花粉、ダニのアレルゲン検査(採血による血液検査)と治療の説明
  • 初回投与日の予約

2初回投与日

  • 当日体調などを確認し、投与可能かどうか診察
  • 薬局にて薬の処方
  • 院内にて初回投与(投与30分後に院内で副作用の有無の確認)

※初回投与時は60~90分程度のお時間をいただいております

3再診

  • 初回投与日の1週間後に再診

スギの場合

2段階で増量していきます。初回投与日から7日後と14日後に受診していただき、問題がなければ薬を増量していきます。15日目より維持量となり、その後1ヶ月に1度の受診となります。

ダニの場合

初回投与日の7日後に受診していただきます。問題がなければ維持量となり、1ヶ月に1度の受診となります。

4その他

下記サイトでも舌下免疫療法について詳しく紹介しています。ぜひご利用ください。

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